小さい頃から、欲張りは良くない、と言われて育ったせいか、どうしても自分の欲望を中途半端に抑えてしまう。こんなやり方は間違っているのではないか、と最近になって考えるようになった。
恋にどん欲な人は相手に自分の気持ちをうち明けないらしい。それも数ヶ月や数年ではなく、一生。だから恋人としてつきあうこともないしもちろん結婚なんてあり得ない。
なぜそんなことをするのかというと、それが長く恋し続けるコツなんだそうだ。相手の嫌なところをみないですむから、熱くて快い情熱を持ち続けることができる、ということらしい。
欲深さが足りない未熟な自分にはとてもじゃないけど真似はできない。
禅の道に進む人は質素な生活を自ら進んで選ぶのだからよっぽど欲が無い人なのだろう、と思っていた。ところが最近は、どうもそうでもないようだ、と考えるようになった。
体を清めてこざっぱりとして、植物が主なる食事を味わう。栄養摂取という行為が清潔なら、排泄という行為もまた清潔たることを心がける。日に三回やってくる、食事という快なる営みを、穀物の一粒も残さず味わい尽くしてその快を最大化する。しかもこの味わいは、毎日やってくる。
これなら、肉類などに含まれるプリン体を取りすぎて通風の激痛を味わうことはない。アルコールを取りすぎて、依存症になり寿命を縮めることもない。コレステロールを取りすぎて、動脈硬化で逝くこともない。生きる目的をついつい忘れ、若年ボケが進むこともない。短いだけで、太くもない人生を終わることもない。
自分は欲深い上に罪深いと思っている人でも、その日だけの刹那的な快を追っているのなら、それは欲深き達人からはほど遠い未熟者かも知れない。
-2004/1/27
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