夜中にケーブルテレビのミステリーチャンネルで、『三つの願い』と題する回の連続テレビ番組、『Xファイル』を久しぶりにみました。ご存じの方も多いと思いますが、この番組は米FBIのXファイル課の男性捜査官モルダーと女性検死官スカリーが、不可解な事件を捜査して評判となった番組です。
『三つの願い』の回では、薄暗い倉庫の中に置かれた古道具の中に、魔力を持ったアラビアの敷物が混じっていたという設定で、たまたまその敷物を広げた人の目の前に、ジーナとかいう名の、いかにも妖気を漂わせたような風情の女性が現れ、これから三つだけ願いを叶えてあげるから早いこと三つ言ってちょうだい、と切り出します。
その幸運(?)に最初に恵まれたのは倉庫で働く兄弟の兄の方でしたが、彼は例によってしょうもない願いで二つも願いを無駄にしてしまいます。最後の三つ目ではさんざん考えたあげく、透明人間にしてもらいました。ところが喜んで外に出た彼は透明であったために交通事故に遭い即死します。
二人目は弟の方でしたが、やはり最後は命を落としてしまいます。そして三人目はFBI捜査官モルダーでした。自分のことだけを考えて願いごとをすると不幸に見舞われる、と悟ったモルダーは”世界平和”を願いました。
そしてその願いは叶ったのですが、代わりに自分以外の人間たちが姿を消しました。たしかに、人間がいなくなれば戦争もなく平和です。人間が消えたんでは元も子もない、と考えたモルダーは、二つ目の願いで元に戻してもらいます。
残された最後の三つ目の願いを何に使ったのかというと、どうも怪しげな女性ジーナを普通の女性に戻すために使ってしまったようです。
Xファイルに限らず、『三つの願い』と題する話は、それが物語だと分かっていても、もっとましな願いごとがあるんじゃないか、もったいない、と思わせます。しかしそれならば、自分にとってのもっとましな三つの願いごととは何なのか、と考えてみると、これがなかなか出てこないのです。
山登りが好きな人なら、あの山の頂上までヘリコプターで運んであげよう、という提案には乗らないはずだし、旅が好きな人なら、目的地に到着することが好きな旅が半分終わることを意味していることを知っているはずなのです。
どん欲になればなるほど、欲しい物はもちろん、その対象に近づく過程もまた他人に渡したくはないのです。したがって究極の欲張りは、外見上は無欲に見えるのかも知れません。
日本人の多くは、年が明けると毎年初詣に出かけ、ちょうど三つぐらいの願いを叶えてもらいたいと、さい銭を払って神様にお願いしています。ところが、その願いが叶うことによって、一番美味しいところを失ってしまうかも知れないパラドックスについては気がついていないかのようです。
さい銭箱に百円やそこらを投げ込んだくらいで、願いが叶う訳ないじゃないか、そう言い切れる人が何人いるでしょうか?もしかしたら本当に願いが叶ってしまうかも知れません。だから、かねてから三つくらいの願い事は真剣に考えておいた方が良いと思っています。
-2003/12/30
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