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点の記憶と線上の快


 ドラマなどを見ていると、ストーリーからはずれたシーンがよく登場します。そして最後まで見ていくうちにそれらが後半のシーンに意味を持たせるためのフリだったことに気がつきます。大きな流れの中に、複数の小さなシーンをちりばめて、後半でそれらを結びつけるという手法はよく用いられます。

 一つの物語の中に、関連のなさそうな二つの話を平行して進め、ラストでその二つの話を結びつけるという手法が用いられることもあります。

 これらの手法をよく考えてみると、限られた時間のなかに各場面が点として人為的に用意され、さらにそれらを結びつける点を最後に用意して快をもたらすところまでがセットになっていることが分かります。

 そうしたフィクションの世界ではなく、現実の世界はどうでしょうか?誰もがさまざまな体験を通して人それぞれの記憶を持っています。そして印象に残っている記憶ほど、他の記憶と線で結ばれることを待ち望んでいるに違いありません。なぜかというと、新たな体験が過去の体験と結びつくとき、やはりその線上には快が走るはずだからです。

 ”子供の頃のさまざまな体験は今の自分を作るために用意されていたとしか思えない”、と語りながらその偶然に驚いて見せる人もいます。これまで点でしかないと思っていた複数の経験が最近になって実を結んでいるとも言えます。

 運良く点と点が結びついた人はその線上で快を感じ取り、そうではない人にはもしかしたら一生その機会は無いかも知れない、とすればかなり不公平です。しかし、これは消極的な快の求め方とも言えそうです。

 それなら、積極的な快の求め方とは何でしょうか?気になる過去の記憶や体験を結ぶもう一つの記憶がないのなら、自分で作るという方法があります。すでにあるAの記憶とBの記憶をむすびつけるために、新たにCの記憶を持ってくるという三点結線法もあるはずです。

 線上の快は結ばれる点の数に比例して強くなり、”あれは実はそういうことだっだのか”、とか”あの人が言った言葉の意味はこういうことだったのか”、といった言葉を伴ってやってくるようです。


-2003/3/7




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