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定年後に滲み出る「そのひとらしさ」



 人生には三回だけ自由な時期がやってくる、と主張する人がいます。小学校に入る前、学生のとき、そして定年後です。

 小学校に入る前はまだ「勉強」という義務はありません。学生時代の、就職活動を始める前も、受験勉強や就職活動の必要が無く自由な時期です。定年後も、「ローン」や「子育て」、「責任ある地位」から開放されて比較的自由な身分になれる時期です。

 定年を迎えた先輩たちの姿をみていると、その人らしさが滲み出ているように思います。

 一番多いのが定年後も契約社員として働くケースです。肩書は従来のままですが役職手当もボーナスも無く給与は半分以下です。これだといくら責任感の強い人でも、給料日やボーナス時期が来るたびに待遇の悪さを痛感し、徐々に仕事から気分が離れ、”このあと何をやろうか”と考えさせられそうです。こうやって二、三年働いたら会社を去ってゆきます。

 次に多いのは定年前の五十代で早期退職するケースです。前々からその後の人生を考えてきた人たちで、大体子供が就職し子育てが完了したときが潮時のようです。ペンションを始めると言って辞めた先輩もいました。いまどうしているのでしょうか・・・。

 定年退職したあと、再雇用されるケースもあります。この人はねっからの職人で、その人が持っている技術が必要なため、会社は再雇用せざるを得なかったわけです。これも悪くはありません。

 定年後、海外でマネージャーとして働く先輩もいました。子供はそれぞれ独立しているので夫婦で海外生活をすることになりますが、奥さんはどうも気が進まなかったようです。それでも二、三年したら日本意に戻ることもあり、それなりに暮らしているようでした。

 定年の前後に子会社に就職しあるいは子会社を作り、そこで定年も無く働く人もいます。経営さえうまく行けば、この方法が一番、”定年時”の衝撃が少なそうです。しかしこの人たちは、会社から切り離された人たちでもあり、すでに砲撃を乗り越えた人たち、とも言えます。

 定年後にはそこそこの年金を受け取り、ほどほどに田畑を耕し、住み慣れた土地で持ち回りの地域の役員をしながら、かわいい孫の姿を見ながら暮らす、というケースは、その人の意志というより、結果的にそれらを守ってきた人たちに与えられる特権のようです。

-2007/9/8



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