泥棒の生活はあまり楽しそうではなさそうだ。それに常に警察から追われ、隠れて生きてゆかねばならないだろうから嘘はつきたくない。
遅刻したときには言い訳という嘘の変種をよく考える。急に用事が出来たからなどと・・・。真実味を増すためにそれが言い訳では無く真実だと自分に言い聞かせたりする。
嘘をつき続けると少しずつ気持ちが歪んでいくことに気がつく。
嘘は自分のささやかなプライドを守るためにつくときもあれば相手のことを思ってつくこともある。嘘の理由はそのいずれであっても気持ちを歪めることには変わりはなさそうだ。歪んだ気持ちはその置き場所に困ってうろうろするから落着かない。
過去の事実を知っているならそれとは違うことを言うのは嘘になる。しかし、たとえかすかでも可能性のある未来に対して希望を語ることは嘘ではない。
だから気持ちの歪みを直すために過去の自分には正直であった方がいい。未来の自分に対しては大嘘にも聞こえるかもしれない希望を語ればいいと思う。その希望が嘘であると言い切れる人はどこにもいないし過去の嘘を事実だと信じるより、未来に対する希望が実現すると信じる方が気持ちの歪みを嫌う魂は喜ぶ。その結果、”恋”泥棒になることはあっても本当の泥棒になることはないから安心だ。
-2001/5/10