感謝に関して言えば、人は三つのタイプに分かれるのではないか、と思います。一つ目は自分の存在が他の人たちのお陰だと実際にそう感じて感謝できるタイプの人たちです。このタイプの人たちは全体の一割にも満たないような気がします。つまり仏様タイプです。
二つ目は健康のため、あるいは対人関係を良好に保つために、とりあえず感謝しようと試みるタイプです。このタイプは全体の二割くらいでしょうか。前向きな考え方をしている人たちと言えそうです。
三つ目のタイプは、特に意識して感謝することをしない大多数の人たちです。これが一番素直だという気もします。
二つ目のタイプの人たちが、実際は感謝しているわけでもないのに、取敢えず感謝して見せるのはどうしてなのでしょうか。
それは「感謝することがこころの健康に役立つ」と度々言われるようになってきたからのようです。
何かを経験(入力)するたびに、人の心の中では計算が行われているとされています。計算結果は気分や感情となって出力されます。今の世の中では、その計算結果が、うつを進行させるような感情となって現れることが少なくないため、意識して感謝することによって、計算結果を修正しようとしているのだろう、と思います。
心の中で行われている計算方法を定めたプログラムが時代の流れに追いついてゆけずしばしば誤動作しているため、「感謝」という名のパッチ(修正プログラム)を当てているというわけです。
しかしこの試みも、もともとは健康で長生きをしたい、という煩悩が動機になっていると考えられるため、あまりに煩悩的で矛盾に満ちた「感謝」のかたちです。しかしこれは凡人よりちょっとましでありたいと願う人たちの、生きている証拠なのかも知れません。
-2006/12/7
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