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「失言」で考えるヒューマンエラーの原因


 女性を「産む機械」に例えたかと思うと、次は子供を二人以上持つ若者を「健全」だと発言したりで、発言した厚生労働大臣が問題になっています。この発言はかなりの反発を呼んでいますが、ここではこの機会にヒューマンエラーについて考えてみたいと思います。

 この種の失言はヒューマンエラーの一種だと考えることができます。ブレーキとアクセルを踏み間違えるのもヒューマンエラーの一種ですが、重大な事故につながることがあるため、その防止のために、いろいろな研究が行われているようです。

 ヒューマンエラーの原因は四つのMに分類されるそうです。たとえばブレーキとアクセルを間違えた場合、その原因は、

 @運転者または同乗者(man)、
 A自動車(machine)、
 B運転方法・他の情報(media)、
 C管理・経営(management)

 です。

 特に高齢者に見られる誤操作は部分的なボケが原因だという指摘もあります。原因は運転者にあることが多いのですが、本人はそれを認めようとしないことが多いため、運転者のプライドを傷つけない方法で運転を避けるようにするためのマネージメントが必要だとされています。

 一方、失言の場合も、原因は四つのMに分かれることになりますが、発言者そのものが原因なのか、それとも、もともとその職に向いていない人(大臣)をそのままにしている人(総理や与党幹部)が原因なのか、についてはすでに指摘されている通りです。

 気になったのは、失言が「スリップ」なのか、それとも「ミステーク」なのかという点です。もし「スリップ」なら、大臣は少子化対策を進めるなかで、どんどん子供を生んでもらいたいという気持ちが強くなり、ついつい大量生産が可能な機械を連想し、女性を機械に例えてしまった、ことになります。この場合、大臣の目標そのものは正しいと考えます。

 もう一つのミステークは目標そのものが間違っている場合です。少子化対策は皆が幸福に暮らすという目標を達成するための手段としてあるわけですが、ここで目標を少子化対策にして国民はそのための手段だ、ということにしてしまうと目標を間違えることになります。

 少子化対策そのものが目標になると、それに沿わない女性は欠陥品に見えてしまうだろうし、子供を一人以下しか持たない若者は、不健全に見えるに違いありません。

 大臣の失言はこのミステークに分類されるような気がします。つまり目標そのものが間違っているのではないか、というわけです。だとすれば、三度目の失言は時間の問題です。ヒューマンエラーの原因が発言者自身にあったとしても、それをそのままにして何度もエラーを繰り返すと、最後はマネージメントの問題、ということになります。安倍総理はこれからも、いろいろと大変そうです。

-2007/2/7



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